基本情報

オーディオ テクネ インコーポレイテッド

東京都八王子市左入町596-4

042−691−2678

http://www.audiotekne.com

原音を求めるオーディオ製品づくり


録音、オーディオ機器が正しい音質を求めないと、演奏が正しく評価されなく、演奏家に迷惑を与えるので、正しい音質のオーディオ機器を作りたい意志が、原音探求を燃え上がらせた。

 

オーディオ テクネ 今井清昭さん

オーディオ機器によって1枚のCD又はLPが、異なった音質になる事は疑問でしょう。その異なる音質の状況はCDに録音された”原音”ではなくっている事です。もしソフト化された音楽(CDやLPなど販売される状態のもの)をそのまま出力する事が出来れば”原音”に近い状態で音楽が聴けます。

 

シンプルに音楽を楽しむこと、”原音”を探求するオーディオ機器をつくり続けるオーディオテクネ。自社製品で音楽に包まれた自宅内の工房で、代表の今井清昭さんにお話を伺いました。

 

正しい音ということ

【COB】”原音を探求する”というコンセプトでオーディオ機器をつくり続けておりますが、どういった経緯でこのお仕事をする事になったのでしょうか。元々そういったお仕事をされていたのですか?

 

元々そういった会社(音響機器メーカー)で仕事をしていましたが、よく”音が良い”って云われますが、何を持って”音の良し悪しか”と判断している基準に、疑問をもっていました。音の良い悪い、その判断の基準が市場に無かったようですね。本物に近づいた音質が良い音(正しい音)でしょう?

 

代表の今井清昭さんからお話を頂きました

代表の今井清昭さんからお話を頂きました

そもそもCDや、LPを(再生機器を変えると)同じ音で聞けないというのがおかしい。なんでそうなったかというと、ようするに色々な機器がそれぞれ勝手な音にして鳴らしてしまう事なのですよ。だから私は、オーディオ機器によって音が変わってしまうことに疑問を持って、その原因が何にあるかを追求、その対策をして、ものを作り始めたのです。

 

(音が変わるのが)良いとか悪いじゃなくて、正しい、元の音で鳴らしてあげることが大事だと思います。だから独立したときに、音をよくする(正しい音を鳴らす)のを一番大きな課題として、仕事を進めて来ました。最初に付き合った取引先から、とにかく音を変えない製品を作ってくれと言われたのも、 いいチャンスだったと思いますね。

 

ずっと使い続けられるということ

【COB】そういったこだわりがきっかけで、創業となったのですね。オーディオテクネは創業何年目になりますか? 創業時から今ある製品を作っていたのでしょうか。

 

【今井さん】1978年に始めたので、もうね、39年と4ヶ月かな。今年いっぱいで40年になるから。

 

一番初めはオーディオのアクセサリー、接続ケーブルとか、下に置くもの(インシュレーター、振動を取り除くもの)から始まりました。その時は個人消費者への直売でなくて、大手や商社とかに納めていたのですが、始めて3年ぐらいで、かなりオーディオ市場が下り坂になるのを感じて、これではもうオーディオを商売にするのをやめようとも思ったけど、簡単に他の業種をやれる事でもないし、じゃあ直売で正しい音質を本当に理解してくれる人達だけに買ってもらえれば良いではないかと思って、直売を始めました。

 

それから、良いアンプを作ってくれという要望があり、アンプもそのころ研究していたので、他のお客さんがその試作品の音を聴いて製品販売するよう要求されるとか、今度はアンプを買った人が良いスピーカー作ってくれとか、このような要求から、今のオーディオテクネになりました。

 

最初はお客さんの要望から製品を作ったら、他のお客さんもそれが欲しくなり、中にはそれらの製品より更に自然な音質を求めるお客様も現れて、それらが自然と製品化されて製品のライナップができた事が、現状ですよ。

 

棚の上に並ぶ製品、そして棚には試聴用のLPやCDが大量に

棚の上に並ぶ製品、そして棚には試聴用のLPやCDが大量に

【COB】受注生産ですね、お客さんからは、例えばどんな要望があったのでしょうか。

 

【今井さん】例えば最初に来たお客さんはね、オーディオ機器の買い替えはもう最後にしたい、 だから一生使えるような音質の良い製品を作って欲しいと。それらの製品は未だに使用されています。

 

そのときに、少し高くてもいいから絶対に手を抜かないでくれといわれました。やっぱり本当にお金をかけたものと少し安く作ったものでは、音質を比べると差が出るので、高くても、飽きないで何年も使えるものを作って欲しい。そのようなお言葉はよく聞きました。

 

【COB】一生使えるということは、飽きないで使えるということですね。

 

【今井さん】そういうことですね。自然な音質だから、飽きずに30年以上使っている方が沢山いますよ。故障も殆どなく5%以内です。

 

使う人がその価値を認めて買ってもらわないと、何年も長く使ってもらえない。20年30年使い続けているお客さんが沢山いるっていうのはそれだと思う。

 

お客さんにはともかく、来て聴いて、気にいるかどうかを決めてもらっています。それもゆっくり、平均滞在時間も4時間以上になる、でわたしはその間一切何も言わない。機器の説明もしません。質問だけ答える。何故かと云うと、最初に機器の説明をすると、お客さんが音質を正しく判断出来なくなるので、だから一切そういうことはしないです。

 

ここで音楽を聴いていると時間が経つのを忘れてしまいそう

ここで音楽を聴いていると時間が経つのを忘れてしまいそう

実は取材中ずっと体験していました

【COB】今も音楽がずっと流れています。オーディオテクネ製品の特徴ってなんですか?

 

【今井さん】今そこで音が聞こえているけど私と楽に話しができるでしょう?ちょっとスピーカーの近くまで行ってみて下さい。スピーカーに耳をつける位まで近づいて。それで、私と会話すると、どう?

 

【COB】音楽の音量も変わらず、会話が楽に出来ます!

 

(別に、音量が小さいとかそういう感じでもないのです。離れていて、インタビュー中も音楽が良く聞こえるのです。)

 

【今井さん】で、そこで聞こえる音量も離れた時と全然変わらないでしょ!おそらく他にはこのようなオーディオ機器は殆どないと思う。

 

この距離でも音楽がうるさくなく、会話が普通にできる!

この距離でも音楽がうるさくなく、会話が普通にできる!

【COB】鳥肌立ちました!

 

【今井さん】これが特徴です。それの原因は何かというと、一般のオーディオ機器は音楽以外の余分な音が鳴るからうるさくなる。本当に音楽だけが鳴ればうるさくない。例えば、クラシックコンサートの演奏中に、ちょっと先でパンフレット落とした音すら、聞こえるでしょう、音楽そのものはうるさくないから、そのような雑音が聞こえるわけだよね。

 

【COB】ここで鳴っている音楽は、ものすごく自然に空間と一体化している感じがします。無理やり感が全くない。絶対に他では味わえない、それがオーディオテクネの質なのかというのが感想です。

 

実際には製品をどう作っているのですか

 

【COB】先ほどおっしゃっていた、音楽以外の余分な音とは具体的にどのようなことですか?

 

【今井さん】原音から外れる原因が何かっていうことは、一つは電気的なもの、アンプの中で勝手な音が作られる、本当は必要な信号を失うこともある。正しい信号を送り、余分な信号を作らない事で正しい音がでます。あるいは機械的なもの、スピーカーって振動するよね、ほんとに音楽だけの振動ならいいけど、箱が振動したら、音楽の信号にプラスされちゃうでしょう。そうした問題を一つ一つ、解決して行くことが大事。要するに、原因の追究と対策ですね。

 

【COB】お、奥が深いです。そのために専用のパーツ、例えば真空管なんかからも手がけるのですか?

 

【今井さん】一部特別に開発した部品以外は既存の部品を買って使っています。その中でも一番音質に個性のない部品を選ぶとか、真空管は沢山買って、さらにその中で選別して、機器の性能を十分引き出せるものを使うことをしています。

 

真空管の試験選別器

真空管の試験選別器

作業場は意外と省スペース(右側にも広がっていますが)

作業場は意外と省スペース(右側にも広がっていますが)

【COB】製品を完成されるにあたって、音質の基準はどうやって決められたのですか?

 

【今井さん】創業してすぐは、都心のコンサートホールに最初の年は34回行きました。それからは減ったけどね。作る人が元の音(ホールの音、本物の音)をよく習得してなかったら絶対うまくいかない。

 

【COB】その耳と技術で、この音質が作られているのですね。

 

オリジナルのLPプレーヤー、全く振動しない

オリジナルのLPプレーヤー、全く振動しない

オーディオ機器を作る技術だけではなく、その背景にあるコンセプトや、音楽に対する姿勢が表現されている製品。今その技と感性は息子の浩亘さんに受け継がれています。

 

浩亘さんにも中盤より取材に加わって頂きました

浩亘さんにも中盤より取材に加わって頂きました

何より、そのオーディオ製品を作る技術よりも、そこから鳴る音楽はもちろんですが、それを作るに至ったセンスと、こだわりに脱帽する取材となりました。百見は一聞に如かず、この音楽体験は、是非皆様にもお薦め致します。

 

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TEL 042-691-2678

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