「NO」と言わない「ものづくり」に挑む
「NO」と言わない「ものづくり」に挑む
株式会社アトム精密 代表取締役 一瀬康剛さん
今回、取材させていただいたのは産業機器を生み出す株式会社アトム精密です。開発・設計から加工・組立までを一貫して行います。さまざまなシュチュエーションで活躍する自動装置を数多く作ってきました。「ものづくり」へ情熱を話を伺いました。
アトム精密の「ものづくり」を教えてください!
【一瀬さん】簡単に言うと、お客さんがご希望に沿った装置を作っています。設計開発から組立まで、0から1を作り出せるのがアトム精密の強みですね。81年の創業から時代のニーズに合わせて、ものづくりに携わっています。
【COB】そうなんですね。アトムさんを代表するのはどんな装置なんですか?
【一瀬さん】うちの場合は、正確にモノを動かす装置には自信がありますね。素材をベルトコンベアに乗せて、正しい位置まで動かす装置です。
一瀬さんがアトム精密の3代目を継ぐまで
【COB】3代目ということですが、先代はお父様だったんですか?
【一瀬さん】うちの場合は違うんですよ。私は、九州で装置を設計するサラリーマンをしていました。30歳の時に、会社から言われ東京に出たんです。その時に仕事を通じて、先代と出会ったんです。ある日、一緒にお酒を飲んでいたら「お前の仕事は工場が必要だな、ウチのを使っていいぞ」と工場の一角を無償で貸してくれんたんです。
【COB】すごい方ですね!
【一瀬さん】工場が借りれたおかげで、仕事も軌道に乗り始めました。そんな最中、九州の母体の会社が調子が悪くなって「戻ってこい」と言われたんです。そのことを知った先代からは「アトムに来ないか」誘われました。しかし、私は九州に帰ることにしたんです。
【COB】誘われたのにですか?
【一瀬さん】やはり、昔の会社にも恩義がありましたからね。
すると毎月、先代が九州に私を誘いに来るんです。会えば酒を組み合す、そんな日々が3年間も続きました。先代の体調が元々優れないのは知っていましたが、06年10月に飲み屋でこう言ったんです。
「もう、俺も体調が良くない。九州に来れるのはこれが最後だと思う。今から運ばれる生ビール。俺のグラスとお前のグラス、もし東京に来てくれるんならカチンと鳴らしてくれ。鳴らさない場合は献杯だ」
そりゃ、クセで「カチン」と鳴らしちゃうじゃないですか(笑)
このような経緯で3代目となりました。
市場の変化に合わせて作る
【COB】アトム精密では今まで、どのようなものを作ってきましたか?
【一瀬さん】一昔前までは、自動車に載せるカセット・CDデッキを作っていました。1日に1万代以上を生産していた時期もあるんですよ。一時期は、それだけで事業が成り立っていました。しかし、90年代の後半になるとアジアに仕事が流失し始めました。
【COB】では、次の対策を考えなければいけないと。
【一瀬さん】2000年代に入ってから、携帯電話のモックアップの製造が軸になりました。昔の携帯ショップに置かれていた携帯電話のサンプルです。しかし、経験からその仕事も次第になくなると分かっていました。
【COB】そこから、今の仕事に繋がるんですね。
【一瀬さん】そうなんですよ。
自社で設計・製造、加工・組立できる産業装置の開発に力を入れたんです。自社で一貫開発する環境づくりを整備しました。今では、食品をパックに詰める装置からエレベーターを動かすためのパーツなど幅広い仕事に携わらせていただいています。
トマトを自動装置が育てる社会へ
【COB】一瀬さんは、仕事へのやりがいをどこに感じますか?
【一瀬さん】装置が音を立てて動き始めた時が、一番嬉しいね。自分が作った装置によって、企業の生産効率が上がることに喜びを感じます。
完成するまでは苦労の連続、トライアンドエラーの日々です。長いものだと打ち合わせから実働まで1年を要するものもありますからね。
【COB】今後、作っていきたい装置はあるんですか?
【一瀬さん】農業を装置を使ってやりたいんだよね。
種、水撒き、収穫まで全て自動で行いたい。例えば、果実の場合ならば糖度が一番高い時に収穫。それをAIに学習させ、ベストなタイミングで出荷できるようにする。5年以内の実現化を目指しています。
若い人材の募集中
【一瀬さん】今、アトム精密は若い人材の補充が急務。「自動装置を作りたい!」そんな気持ちを持った向上心の強い方を募集中です。
今後は、海外への展開も考えています。外国人の雇用も促進し、社内で英語の勉強会を開く予定です。皆さんの応募をお待ちしています!
常に、新しいことへのチャレンジ精神を忘れないアトム精密さんの一瀬社長。アトム精密さんと共に世界へ羽ばたきたいみなさんは、是非ご連絡してみてくださいね!
株式会社アトム精密
八王子市弐分方町358−1
042-651-7050