CCDカメラによる外観検査のパイオニア
株式会社CCD 代表取締役 西川良子さん
産業用カメラを用いで外観検査・画像処理を行うCCD。1982年創業の外観検査のパイオニアです。長年のノウハウを生かしボードの製作、プログラムの開発にも取り組んでいます。クライアントの要望に応えた、システム構築の技術は大手にも負けません。今回は、そんな腕のたつCCD代表取締役・西川良子さんに外観検査の知られざる世界を紹介していただきました。
CCDの歴史を教えてください!
【西川さん】82年2月に主人が創業しました。もう亡くなっているので、私が2代目となります。夫は元々NECでCCDの応用開発を行っていたんです。
【COB】すいません、初歩的な質問なんですが「CCD」とはなんですか?
【西川さん】CCDとはカメラの受光素子、光の明暗を電気信号に変換する電子素子ことを指します。皆さんがお持ちのデジタルカメラにも組み込まれていますよ。
【COB】現在の主な仕事内容を教えてください。
【西川さん】CCDカメラを使った検査機器の開発ですね。それに付随するシステム、アプリケーションも作っています。検査機器では、製品をスキャンし、表面上にゴミや埃が付いていないかを検査します。
検査装置が動くところが見たいです!
【西川さん】分かりました。
布や皮革をロール上に巻いた物を原反と言います。今からお見せするのは、原反の検査に向いた装置ですね。これで検査をすることによって、布の表面にゴミや穴といったトラブルがないことが確認できます。
【COB】布を扱う仕事には不可欠ですね。
【西川さん】そうなんですよ。
続いて、装置の動きを説明しますね。トイレットペーパーを回すように原反を動かしていきます。回転している原反を上からCCDカメラで撮影。その画像が自動的にパソコン上に表示されるんです。布だけはなく、車の中に張るシートやセロハンテープなど巻かれているものは全て検査対象です。モノによってはキロ単位で巻かれていることもあります。目で確認することは難しいので、検査機器が必須なんですよ。
【COB】検査機はどのように作られるのですか?
【西川さん】色々な企業からパーツを買い、1台の検査機器を組み上げます。検査したい対象や機器にかけられるコストはクライアントによって違います。その要望に合わせて、検査機器をカスタマイズしていくんです。
【COB】カスタマイズとは具体的にはどのようなことなんですか?
【西川さん】クライアンと結んだ秘密保持契約があるので、詳しくは言えないんですよ。同時に、長年の経験による感覚的な作業でもあるので説明するのも難しいんです。
検査機器を作るやりがいってドコにありますか?
【西川さん】そりゃ、完成した時ですよ。検査機器は、発注を受けてから完成するまで1〜2年掛かるんです。そのあと、改良を続けることもあります。
【COB】長いスパンですね。その理由はドコにあるんですか?
【西川さん】作るまでの工程が長いんです。ざっと仕事の流れを説明しますね。
最初にクライアントから撮影をして欲しいサンプルとして送られてきます。次に、サンプルが正確に撮影できるかテストをします。この工程をサンプルテストと言います。
そして、見積もりを決めてクライアンと打ち合わせ。ここで了解を得て、実際の制作がスタート。検査機器を作り始めてからも、クライアントと一緒に調整をします。何よりも精度を追求していくので、時間はどうしてもかかってしまいます。
【COB】仕事はどのように依頼されることが多いんですか?
【西川さん】検査機器の展示会でお客様と出会い、仕事をいただくことが多いです。展示会で幾つのサンプルをいただけるか、ここが勝負なんです。他社にもサンプルは渡しています。だから、サンプルテストで自社の検査機器の優秀さを示す必要があります。
【COB】仕事をいただけるまでも長い道のりですね。
CCDの今後を教えてください!
【西川さん】お客様の新しい技術に対応することが第一ですね。最近は、海外のアプリケーションを使っていることも多いんです。CCDのように、独自に作っているところは少ない。こういった部分は変わらない強みだと思います。独自開発したアプリケーションは、パソコンのバージョンに左右されません。長い目でみたら、良い部分も多いんですよ。
働きたい方も募集中
【西川さん】今、CCDでは人員を募集しています。ソフトが組めて、カメラの基礎的な知識がある方がベストですね。検査機器を作ることは難しいですが、完成したときの喜びはひとしおです。ご連絡をお待ちしています!
株式会社CCD
八王子市明神町1丁目25−11
042-646-6679