基本情報

株式会社 勝田ナセン

東京都八王子市小比企町1743

042−635−3266

http://www.katsutanasen.co.jp

八王子発の友禅染めを次世代に


八王子市街地から南の方に山を越えた、車通りは激しいが自然の多い地域、緑も多く牧場もあるその一角に、昭和38年創業の手捺染工場がある。伝統と革新を両立し、幅広いニーズに対応、また新しいニーズを模索する。そんな印象を受けた取材先は小比企町の勝田ナセン。代表取締役の勝田武男さんにお話を伺いました。

 

 

株式会社勝田ナセン 勝田武男さん

【COB】一昨年行った工場見学ツアーでは大変お世話になりありがとうございました。20名もの参加者に勝田ナセンさんのご覧いただき、ご参加頂いたクリエイターのみなさんと新たなコラボも多々あったようで嬉しいです。

 

【勝田さん】こちらこそ、ありがとございました。

 

【COB】さて早速ですが、手捺染の工場ですが八王子にも幾つかあります。それぞれ工場、工房の特徴がありますが、勝田ナセンの特徴はコレ、というものを教えて下さい。

 

【勝田さん】ウチは、もともと風呂敷が専門です。 問屋からの依頼で京都の方に卸されるものを作っていました。昔と比べると注文は減りましたが、今も続いております。風呂敷の手捺染工場は全国的にいっても珍しいと思います。

 

代表取締役の勝田武男さんにお話を伺いました

代表取締役の勝田武男さんにお話を伺いました

3つの特徴

【勝田さん】初代が創業する際に、問屋に色々と相談したのですが、同業と扱っている商品が被らない、当時一番仕事がしやすいものが風呂敷でした。

 

【COB】また、特徴として地下水を使用しているとの事ですが、水ってやっぱり染め上がりに影響するものなのですか?

 

【勝田さん】染物も豆腐や蕎麦と同じです。その場所(水)の特徴が出ますよ。他で同じ染料で同じ工程をやっても、水が変われば色の出方、仕上がりが変わります。因みに地下水は地下100mからくみ上げているもので、完全に濾過されています。

 

【COB】水の影響ってかなりあるのですね!

 

【勝田さん】それともう一つ、伝統的な技法で友禅染めをしています。友禅はそもそも糊に米ぬかを使用するのですが、今は多くの工場が反応染め(化学染料)に変わっています。だから、この伝統はウチでは絶対に残していきたいですね。

 

【COB】友禅染め、まさしく京都のイメージですね。八王子で、友禅をやっているなんて、コレ八王子の売りになるんじゃないか?と思ってしまいます!

 

友禅染めの独特の風合い

友禅染めの独特の風合い

工場を見学しました

【COB】では工場、工程の方を紹介お願いいたします。

 

【勝田さん】こちらが染料を作るところ、染料場、ここで使用する染料を調合します。

 

染め方、染める物によって調合は変わります

染め方、染める物によって調合は変わります

もちろん地下水を使用

もちろん地下水を使用

色々なパターンを再現できるように見本はしっかりと記録されています

色々なパターンを再現できるように見本はしっかりと記録されています

【勝田さん】ここは板場、染める場所です。 今やっているのは某電鉄の列車の客室に置く、備品の膝掛けです。

 

捺染台に広げられた生地に一色ずつ色を刷ります

捺染台に広げられた生地に一色ずつ色を刷ります

版をおき1枚分ずつ丁寧に

版をおき1枚分ずつ丁寧に

捺染台を洗うのにも、パイプから地下水が

捺染台を洗うのにも、パイプから地下水が

※デザインは都合により公開出来ません。

 

【勝田さん】友禅染に関しては、通常の捺染よりも1工程多く、蒸す前にここに生地を広げて、ミルフィーユみたいにおがくずで生地を1枚1枚挟みます。そうすると、友禅染め独特の発色がでます。

 

奥行きは、20m以上にもなる空間、ここで生地を広げる

奥行きは、20m以上にもなる空間、ここで生地を広げる

【勝田さん】ここは蒸し場、染めた生地を蒸すことによって色が定着します。

 

生地によって蒸す温度や時間を調整します

生地によって蒸す温度や時間を調整します

【勝田さん】ここが洗い場、水はもちろん地下水です。蒸しあがったものの、余分な糊や汚れをここで落とします。そういえば、ウチは飲み水も地下水ですよ。

 

10mはある?洗い場

10mはある?洗い場

【勝田さん】そして、こちらが乾燥室です。生地をかける竿は工夫がしてあって、木にビニール素材を巻くことで引っ掛けたときに、生地が木で痛まないようになっています。これは創業からの工夫ですね。

 

天井に何十本も連なる竿

天井に何十本も連なる竿

【COB】敷地内にはシルクスクリーンの版がたくさんありますね。

 

【勝田さん】版は1年間預かっています。あそこの型倉庫は、写真映えしますよ。

 

倉庫内びっしり! 確かに圧巻です

倉庫内びっしり! 圧巻です

【勝田さん】インクジェットの機械がこちらです。多彩な色に対応出来るし、小ロットから制作しやすいです。

 

大判インクジェットプリンター

大判インクジェットプリンター

【COB】使い方次第で、効率良くオリジナル商品が出来そうですね。 生地は選ばないのですか?

 

【勝田さん】インクジェットに関しては、天然素材にのみ対応していますが、工場的には幅広く対応していますよ!

 

友禅の伝統を残したい!

【COB】先ほどもお話がありましたが、友禅染めはなんとか、伝統を残していきたいと私も思います。ヒット商品を作りたいですね。勝田ナセンは、「からん」や東京造形大学の大学院生坂本あこさん・助手の吉本悠美さん2名のデザイナーによるファクトリーブランド「EFUKiN(エフキン)」も立ち上げていますね。

 

【勝田さん】何年か前までは問屋からの受け仕事ばかりだったのですが、現状それのみでの経営は難しくなっています。今は自分たちから発信していかないと、これからやっていけない状況になっています。 今まで問屋の裏に隠れていたので、勝田ナセンという、八王子で友禅が出来るという認知はまだ全然されておりません。東京に出来るところがあると認知されれば、状況は変わってくると思います。なので全国的に売れるものができればと思います。

 

絵のように日常を彩るフキン、EFUKiN(エフキン)

絵のように日常を彩るフキン、EFUKiN(エフキン)

今はこれを売り出せればと思っています。ポリちりめん素材、お勧めです! 新しい生地で、洗っても縮まないです。なので、この素材を染めたお弁当包み、洗って干しておくだけでアイロンでシワをのばす手間もないので、毎日お弁当を作る方には良いと思います。

 

生地の素材感と発色がたまりません

生地の素材感と発色がたまりません

【COB】それにやっぱり色が綺麗なので、お弁当を撮るときにInstagramで撮影した写真にも映えそうですね!

 

オリジナルブランドを立ち上げ、自社の特性を発信し、”実はこれ、八王子で作っていたんだ!”というここで名前やデザインを出せないようなお仕事も受けているとても活気ある手捺染工場、勝田ナセン。 その活気は、勝田さん家族を始めとしたスタッフ全員から溢れ出している様に感じました。

 

代表取締役と、営業部長の茂子さん、専務取締役の雄也さん

代表取締役と、営業部長の茂子さん、専務取締役の雄也さん

勝田ナセンでは様々な生地での製造が、1枚から注文可能です。オリジナルデザインの、ノベルティや贈り物、商品を作りたい方は是非ご相談ください。まずはお電話でお問い合わせください。

 

株式会社 勝田ナセン
東京都八王子市小比企町1743

TEL 042-635-3266

http://katsutanasen.co.jp

 

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株式会社 勝田ナセン

東京都八王子市小比企町1743

042−635−3266

http://www.katsutanasen.co.jp