基本情報

野口染物店

野口染物店
住所:東京都八王子市中野上町4-20-11
電話:042-622-6313

創業210年を超える藍染工房「野口染物店」


野口染物店 野口汎さん

今回は、創業210年を超える藍染工房「野口染物店」におじゃましました。創業はナント江戸時代!当時は武家の裃を作っていたそうです。現在は、浴衣などの反物を中心に制作しています。取材時も、6代目のご主人と7代目の息子さんの2人で浴衣の模様を型付け中。ここでしか見ることの出来ない職人業を拝見することが出来ました。7代に渡って、脈々と受け継がれる野口流の世界をご案内します。

 

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どんな染物をつくっているのですか、野口流とは?

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【野口さん】うちはね、210年以上前に初代が茨城県の土浦で商売を始めました。2代目から京橋に工房を構え、その時に武家の裃を染めてたんですよ。
あれでしょ、時代も変わって武家もなくなって明治なると、一般の人が着る浴衣の反物を作り始めました。

 

【COB】歴史が長いんですね。藍染工房といってもそれぞれ違いがあると思うんですが「野口染物店」の特色って何ですかね?

 

【野口さん】これは私の代からなんだけど、浴衣の模様をつける型付けから藍染まで全てやることがまず一つ。「普通の藍染工房では型付けは出来ないからね」私の場合は昔うちにいた職人から教わってできるようになったけど。
もう一つの特徴が裏と表に型付けすること。布は伸び縮みする素材だから、裏と表の柄を合わせることが非常に難しいんです。これを合わせることができるのは、ウチだけですよ。
だから、普通は息子を外に修行へいかせますがウチはやらない。なぜなら、ウチの技術が優れているから。これが野口流なんです。

 

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「野口流」一つの美しい反物が生まれるまで。

【COB】美しい反物が如何に作られているか、教えてください!
【野口さん】はいよ、分かりました。
最初に型付けをするための糊を作ります。煮た餅米、糠、石灰、赤い染料を混ぜて作ります。季節によって乾き具合や粘り気が違うので難しいんですよ。職人によって感覚が違うから、それぞれ自分専用の糊を持っています。

 

noguchi_4 【野口さん】次は型付けだな。
反物の上に型を置き、その上から糊を木ベラでなぞっていく工程です。型に抜かれた柄は繋がっているので糊を塗ってはズラす、その連続です。

 

noguchi_5 noguchi_6【野口さん】この作業が終わると、やっと染めに入れるわけです。「下染、そして藍染ですね」
【COB】今回は染めを見せていただけるのでしょうか?
【野口さん】もちろん!「藍染は染めが一番肝心なところ。これを見てもらわなきゃウチの仕事は分からないよ(笑)」まず水で布を濡らします、これをしないと均等に染まらないんです。続いて、布を藍瓶に付けます。ちょっと、上げてみますか。

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【COB】まだ、藍色になってないですね。
【野口さん】見ててください。だんだんと藍色になってきますから。空気中の酸素に触れることによって発色していくんですよ。

 

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【COB】おぉホントだ。
今回はハンカチですが、これが反物にもなると均等に染めるのが大変そうですね。
【野口さん】そうなんですよ。反物は13メートルあるからね、そんな単純にできるものじゃないんですよ。長年の修練と経験値があって可能になる仕事なんです。

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【野口さん】そして、水洗いをしてムダな糊を落とします。最後に天日干しで乾燥させれば完成です。

 

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「藍染をしてみたい!」そんな方へ

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【COB】反物を制作するのに、どのくらいの日数が掛かりますか?

 

【野口さん】基本的に10反づつ作りますので、型付け5日、仮染め1日、染め1日、水洗い1日、乾燥1日。ナンダカンダ10日ほど掛かりますね。全て手作りですから。
だからこそ、自分が作った反物への思いは強いですね。
「最初から終わりまで全部やるんだから」
あと、自分で作った反物を使った浴衣を女優さんが着てくれると嬉しいね(笑)

 

【COB】ははは(笑)確かに美人に着てもらうと嬉しですよね。今後、この記事を読んだ方が藍染に触れる機会はありますか?

 

【野口さん】10人からですが、藍染体験も行なっています。簡単なTシャツやスカーフを染めることが出来ますから、是非是非お越しを。

 

【COB】いかがでしたでしょうか?日本で否世界で、ここでしか見れない野口流藍染の神業を堪能させていただきました。本当の職人技を見ると「スゲェ、スゲェ」の連続。この記事を読んで、藍染に興味を持った方が一人でも増えてくだされば幸いです。

 

野口染物店
住所:東京都八王子市中野上町4-20-11
電話:042-622-6313

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