創業半世紀のプリーツ加工技術

創業半世紀のプリーツ加工技術

株式会社杉本プリーツ　代表取締役社長　杉本公平さん

 

本日、お話を聞かせてくれたのは杉本プリーツの５代目杉本公平さんです。布に独特の折り目を施すプリーツ加工のプロフェッショナルです。制服のスカートからモード系ファッションまで、多くのシュチュエーションでプリーツは活躍しています。人の手作業で生み出される、杉本プリーツの加工技術に迫りました。

プリーツ加工の魅力ってなんですか？

 

【杉本さん】プリーツとは簡単に言ってしまえば、人工的に作る折り目のこと。布に形状記憶加工をして、消えない折り目を作る加工です。
その歴史は古く、紀元前3000年頃の古代エジプトから始まりました。｢プリーツは雲間から見える太陽光に似ていることから神の象徴である」とされ、高貴な人々だけが着用していたそうです。

 

【COB】歴史のある技術なんですね。杉本プリーツでは、現在はどんなものを作っているんですか？

 

【杉本さん】主に衣服に使われる布に立体感、運動量を出すプリーツ加工ですね。女子学生が着る制服もその一つです。他には、装飾のプリーツ加工も行なっています。コチラは、ファッションデザイナーの指示に寄せて、折り目を作る作業です。
前者は、パターンが決まっているので機械で加工します。後者は、複雑な工程が必要なので手作業で進めることが多いんですよ。

 

杉本プリーツの心臓部に潜入！プリーツ加工を拝見！

【杉本さん】まず、お客さんから依頼されたパターンをプリーツ加工用に展開します。ベテランの職人が完成図をイメージして、パソコンで作るんです。そのデータを元に、耐熱用のダンボールにパターンを起す。複雑なプリーツになると、折目も細くなる。複雑な折目を生み出す技術力が杉本プリーツの宝なんです。

 

【杉本さん】続いては断裁ですね。指定された生地を断裁機にかけます。

 

 

【杉本さん】生地をミシンで加工します。プリーツ加工後に処理をすると、プリーツが広がってしまうんです。

 

 

 

【杉本さん】こうした過程を経て、いよいよプリーツ加工となります。
同じパターンを重ねて、凹凸に２人１組でプレスをしていきます。この作業は２人の息を揃えることが重要。２人のうち１人は、経験値の高いベテランじゃないと難しいですね。

 

 

【杉本さん】パターンにセットした生地を圧力蒸気釜で熱処理します。100度を超える高熱で加熱時間は約30分。ここで、生地に折目が形状記憶されるんです。

 

 

【杉本さん】最後に、組立縫製をして完成です。一枚の生地から、ここまで変化するって面白いでしょう。

 

 

マシーンで作るプリーツ加工も拝見！

 

【COB】生地を折るマシーンの音が小気味良いですね。

 

【杉本さん】マシーンは複雑な加工は難しいですが、単純に折ってく場合は良いんです。平行にしか出来ないんで、制服のスカートを作るのに適してますね。もちろんスカートと言っても、制服によって折目の幅が違います。1mm変わるだけでも、別のパターンを用意しなければなりません。同じ生地から作るプリーツスカートでも、折目の変化だけで随分と印象が変わるんだよね。
ウチは学生服だけで５０校は作っていますよ。

 

【COB】プリーツの技術も日進月歩なんですか？

 

【杉本さん】技術というよりも生地に対してのアプローチが重要からな。昔と違って、生地の流行り廃りのペースも早いでしょ。生地に一番適したプリーツ加工を見つける、センス、感覚が必要です。

 

若い人に色々と挑戦してもらいたい

 

【杉本さん】毎年、ファッション系の学生が見学に来ます。やはり若い人は熱気があって良いんですよ。
若手のファッションデザイナーからの依頼も多いです。「工賃が足りるかなぁ」と悩む方も多いですが、そういった場合は「サンプルから作ろうか」と提案しますね。

 

【COB】若手の要望にはなるべく応えると。

 

【杉本さん】もちろん。面白い提案をお待ちしています。気軽に声をかけてください。

 

 

親切・丁寧でありクオリティの高い杉本さんのプリーツ加工にご興味のあるみなさんは、是非杉本さんにご連絡してみてくださいね！

 

株式会社杉本プリーツ
東京都八王子市東浅川町５１９
042-663-1211